2007年6月4日月曜日

日本経済を概観する②

次に非製造業です。

表3、非製造業の経常利益率


2006

2007

2008

建設

3.5%

3.2%

3.3%

商社

3.5%

4.2%

4.3%

小売業

4.5%

4.3%

4.2%

不動産

9.9%

13.0%

12.7%

鉄道・バス

8.0%

8.7%

8.1%

陸運

4.1%

4.2%

4.3%

海運

17.7%

7.7%

8.5%

空運

1.0%

2.2%

1.8%

通信

11.0%

10.1%

10.0%

電力

8.2%

8.0%

7.2%

ガス

7.4%

8.4%

6.5%

サービス

7.4%

8.6%

8.6%

非製造業合計

5.9%

6.0%

5.9%

全産業合計

7.1%

6.5%

6.5%

銀行

24.9%

21.9%

22.7%

証券

14.6%

19.0%

20.5%

保険

4.7%

4.5%

4.4%

その他金融

12.8%

-0.3%

11.8%

金融を含む全産業合計

8.5%

7.2%

7.4%

非製造業における、経常利益率からわかるように、業界全体から見て相対的に優位な業界というのは、不動産、鉄道・バス、海運、通信、電力、ガス、サービスと多岐にわたる。

ここで注目しておきたいのが、空運業についてですね。フォーレンバフェットが空運業は資本主義を後退させたというのは、高コストであるからである。燃料代であり、整備費であり、人件費であり。また、業界全体としても価格競争であり、経営的にも厳しい業界といっていいだろう。

また、金融業の経常利益の高さが目に付くと思う。

これは会計の特質上、経常利益というものは、営業利益から、金利の損益を差し引き、足したものであるからである。

考えてみて欲しい。

銀行というのは、企業に資金を貸し出し、金利を取る。これが収益である。

一方で銀行の支出というものは私たち家計に支払われる「利息」である。

今現在私たちに支払われている利息、金利はとても低いものであるのはご存知ですね。

そこで、銀行預金をするくらいならば、銀行株をかうという手段があります。この業態の利点を享受するのです。

なかには1%、2%の配当を出す銀行もありますし、税金を考慮しても0.8%、1.6%という利回りをだすことができます。この数値は一昔前の住宅ローンの支払利息の数字ですね。つまり、それだけの利回り、利息を家計でもらう側であってもいいだろうというのが私の考えです。

経常利益率が高い業種に、不動産と、通信があります。

これらの業種は、一度設備投資をしておけば、コンスタントに利益を出すことが可能という利点があります。また、顧客が継続利用するという点も、安定的な業種であるといってもいいでしょう。

次は売上高伸び率です。

表4.非製造業の売上高、経常利益伸び率

業種名

売上高伸び率


経常利益伸び率



2007

2008


2007

2008


建設

5.49%

1.31%

Down

-1.77%

3.56%

Up

商社

18.20%

4.53%

Down

42.65%

5.27%

Down

小売業

6.27%

10.57%

Up

2.46%

7.59%

Up

不動産

11.86%

8.09%

Down

46.20%

5.95%

Down

鉄道・バス

2.99%

0.29%

Down

12.61%

-7.08%

Down

陸運

4.60%

3.68%

Down

5.26%

6.09%

Up

海運

16.28%

6.50%

Down

-49.75%

18.31%

Up

空運

6.72%

-2.75%

Down

128.10%

-19.14%

Down

通信

2.35%

1.44%

Down

-5.39%

-0.37%

Up

電力

1.32%

1.77%

Up

-1.28%

-8.82%

Down

ガス

10.50%

2.35%

Down

26.10%

-20.73%

Down

サービス

10.50%

5.59%

Down

27.55%

6.15%

Down

非製造業合計

9.53%

3.58%

Down

12.61%

1.23%

Down

全産業合計

9.89%

4.04%

Down

1.13%

3.53%

Up

銀行

17.10%

6.36%

Down

3.20%

10.13%

Up

証券

10.74%

13.09%

Up

43.88%

21.91%

Down

保険

5.71%

-2.37%

Down

2.77%

-4.33%

Down

その他金融

4.38%

4.46%

Up

-102.83%

-3635.19%

Down

金融を含む全産業合計

10.01%

4.07%

Down

-6.46%

6.91%

Up

個人消費が景気を下支えしている、とよく言われていますが、その様相がここであわられていますね。小売業の売上高が、前年比10.57%あがっています。

また、ほかに売上高が伸びているのが証券と電力ですね。

貯蓄から投資の流れを汲んで積極的な経営に取り組んでいる様子がよくわかります。

次に経常利益ですが、小売も同じく上昇、中国などとの貿易で海運が上昇。

金融においては、証券が経常利益伸び率ダウンに対して、銀行がアップしています。

これはあきらかに銀行が企業から得た金利を家計に出さずに、企業内部で留保しているということがよくわかります。

日本経済を概観する①

平成19年6月2日の日経新聞に掲載されていた上場の主要業種別業績動向から、日本経済をながめてみよう。

製造業の合計売上高と合計経常利益から産業全体の経常利益率の推移をしめすと


2006

2007

2008

製造業合計

6.7%

6.9%

6.9%

ほぼ6.9%で推移している。

業種べつの経常利益率が全体の数値以上であるということは、製造業業界から見て相対的に優位であるといえる。

その有意な業種は化学、医薬品、鉄鋼、機械、自動車部品、精密機械という業種である。

逆に、食品、繊維、パルプ、石油、非鉄金属、電気機器、造船は経常利益率が小さいということがわかる。

表1.製造業の経常利益率


2006

2007

2008

食品

4.6%

4.6%

4.4%

繊維

6.3%

6.6%

6.6%

パルプ・紙

4.6%

4.0%

2.9%

化学

7.5%

7.8%

7.8%

医薬品

6.0%

22.8%

23.3%

石油

4.5%

3.5%

3.1%

鉄鋼

14.1%

13.5%

11.7%

非鉄金属

5.7%

6.8%

6.5%

機械

7.4%

8.2%

8.2%

電気機器

4.2%

4.8%

5.5%

造船

1.4%

3.4%

4.0%

自動車部品

7.8%

7.4%

7.2%

精密機器

8.1%

9.8%

10.0%

製造業合計

6.7%

6.9%

6.9%

売上高の伸びた業種は食品業界、医薬品業界、鉄鋼業界、精密機器業界となる。

経常利益の伸び率は前年から鈍っており、これは一概に「金利上昇」で金利負担が増えたためであるといえる。

表2.製造業の売上高、経常利益伸び率

業種名

売上高伸び率


経常利益伸び率



2007

2008

前年比

2007

2008

前年比

食品

2.67%

3.74%

Up

4.49%

-1.73%

Down

繊維

8.34%

3.93%

Down

13.77%

4.54%

Down

パルプ・紙

3.31%

3.12%

Down

-8.93%

-25.00%

Down

化学

9.77%

4.90%

Down

13.25%

5.50%

Down

医薬品

4.71%

8.55%

Up

300.00%

11.21%

Down

石油

13.12%

-0.06%

Down

-11.27%

-11.37%

Down

鉄鋼

10.38%

11.03%

Up

5.37%

-3.58%

Down

非鉄金属

23.15%

2.54%

Down

46.41%

-1.11%

Down

機械

13.77%

6.84%

Down

26.58%

6.87%

Down

電気機器

7.41%

3.78%

Down

21.80%

17.77%

Down

造船

10.50%

2.96%

Down

165.96%

23.87%

Down

自動車部品

13.38%

3.37%

Down

7.76%

0.79%

Down

精密機器

6.27%

7.53%

Up

27.88%

9.23%

Down

製造業合計

10.13%

4.33%

Down

12.61%

4.79%

Down

ということは、逆に金利をもらっている所は利益を出しているということは推測されますね。金利上昇のため企業からより利息をうけとり、預金者にはあまり支払わないという業態がよくわかるデータがあとで出てきます。