2008年3月10日月曜日

eワラント入門編⑤(学術的アプローチ)


なぜギアリングによるワラント価格の変動の大きさがあるかというと、「権利行使価格」があるためです。以下にその例を示すと簡単にお分かりいただけると思います。例3をご覧ください。まず原資産価格が16500から17000への変動は3%ですね。ワラントでは本質価値が500から1000になります。1ワラントあたり0.01だとすると、5から10に上昇したことになり、2倍になりました。これはコールの例です。

次に例4をご覧ください。15500から15000への変動は3%です。ワラントの本質価値は500から1000になり、1ワラントあたりおなじく2倍になります。



  ギアリング(1)とは、原資産1単位と1原資産あたりに換算したeワラントの価格の金額比を表しており、いわゆる変動の大きさの目安となります。ワラント価格の原資産に対する価格の感応度を表すデルタとギアリングを掛け合わせたものが実効ギアリング(2)といいます。eワラントに投資した場合に対象原資産そのものへの投資に対しておおむね何倍の価格変動があるかの指標で、eワラントの価格変動リスクを知る一つの目安として利用されます。

たとえば、実行ギアリングが5.00のコールワラントであれば、原資産が2%上昇すればワラント価格は10%上昇します。プットであれば2%の下落で10%上昇します。

ひとえに実行ギアリングが大きいほど変動が大きいように思われるかもしれませんが、あまりにも大きい場合だと、eワラントの価格が小さすぎることがあり、アウトオブザマネーの状態のときによく見られます。

ただし、実効ギアリングは、時間価値の減少、対象原資産の価格が大きく反動した場合のデルタの変化、ボラティリティ(対象原資産の価格の変動の度合い)の変化などを考慮したものではないために、きわめて短い時間内の価格変動の概算に限定して利用され、あくまで価格変動の大きさを知る目安としてりようされます。

対象原資産の価格の変動の度合いが大きく、満期日までの残存日数が十分にある銘柄においては、時間価値が大きくなる結果から、一般に実効ギアリングの値は小さくなります。



(1)ギアリング=(対象原資産の価格×1ワラントあたり原資産数)/eワラントの価

(2)実行ギアリング=ギアリング×デルタ(ワラントの原資産に対する価格感応度)



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