2007年1月26日金曜日

ワラント投資法考察

インド企業のADRの投資法を考察してみる。
ADRというものはアメリカ市場に上場しているものであり、対象企業の値動きと関連が認められるとするならば、インドにおける値動きを参考にして、アメリカ市場が動き出す前に情報を手に入れることができることになる。

アメリカ市場のADRの値動きと、インド市場の企業の値動きをOLSによる回帰分析で試みてみた。
ここではタタモーターを参考にする。

Yit=α+βXit+ε
Yit:アメリカ市場(ADR)の時点t(day)における日時収益率
Xit:インド市場の時点t(day)における日時収益率
α:定数
β:β係数
ε:誤差

α=0.17(0.58)
β=0.92**(6.38E-06)

∴Yit=0.92Xit

β値を代入して、予測値とし、ADRとの散布図を作成し、近似直線をひくと傾きは1.07、R^2は0.65であり、この0.92という数値が有意であることが言える。



そこで、今度は具体的に、ワラント各回号の値動きと、ADRの値動きで回帰分析を行ってみる。


Yit=α+βXjt+ε
Yit:タタモーターの時点t(day)における各回号(call1,call2,put1)の日時収益率
Xt:タタモーターの時点t(day)におけるADRの日時収益率
α:定数
β:β係数
ε:誤差



α(call1)=0.17(0.86)
β(call1)=2.61**(5.13E-06)

α(call2)=0.12(0.93)
β(call2)=3.74**(5.08E-06)

α(put1)=0.20(0.91)
β(put1)=-5.00**(1.64E-06)

∴Y(call1)=2.61Xt
Y(call2)=3.74Xt
Y(put1)=(-5.00)Xt

ここでもそれぞれのβ値を代入して、予測値とし、実際の価格との散布図を作成し、R^2を見てみる。
R^2(call1)=0.84
R^2(call2)=0.84
R^2(put1)=0.78

この計算式によりインド市場の動向から、それぞれのワラントがそれくらいまで値上がりするかが予測できる。

わかりやすくすると、

ワラントの値動き=ADR×それぞれのβ値
ワラントの値動き=インドの値動き×0.92×それぞれのβ値

となる。
これを利用して、インド市場が終わる時刻(日本時間の20:00)の時点でワラントの価格が、この計算式によって導き出された値段よりも安い場合は、利益を得ることができる可能性がある。

しかしこれにはADRとアメリカ市場の関係は反映されていない式なので、アメリカ市場が下げているならば、この限りではないといえる。

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